株式会社クリエでは、通気において「排気量イコール給気量」のセオリーのもと、適切な箇所に適切な換気口を配置するようご案内しています。その換気口においては、特に冬季に不快に感じてしまう屋外からの冷気を、人に直接当たらないよう配慮した天井給気口を提案しています。

では、なぜ夏季の熱風ではなく冬季の冷気に重点を置くのか、そして今回は壁面に取り付ける換気口をご紹介するのですが、今までなぜ壁面設置型ではなく天井設置型をおすすめしてきたのか、そしてなぜ壁面設置型の換気口の開発に踏み切ったのかをご説明いたします。

エアコンの冷房と暖房では、どちらが電気代がかさむ?

日本の多くの地域には、はっきりとした四季があり、夏は猛烈に暑く、冬は凍えるような寒さになります。
気持ちよく効率の良い仕事をするためには、快適な温度にする必要があります。
環境省では、夏季は「COOLBIZ(クールビズ)」として冷房時の室温28℃、冬季の「WARMBIZ(ウォームビズ)」は暖房時の室温20℃を打ち出していますが、いずれも省エネの観点からの推奨値ですので、「快適な温度」の観点からすると、夏季は25℃前後、冬季は22℃前後というのが一般的な見方のようです。
さて、冷房と暖房の両方の機能を持つエアコンを使うとして、この「快適な温度」にするために、冷房と暖房・・・どちらが電力を使うと思いますか?

どのエアコンの製品仕様にも冷房時と暖房時の消費電力が書かれていますが、実は、エアコンの消費電力は冷房より暖房の方が高いのです。つまり、消費電力が高いほど電力を使うので、冷房より暖房の方が電気代が高くなるのです。

また、気象庁の「東京 日平均気温データ」によると、東京の1日の平均気温は8月が約30℃、1月が6℃です。居室を快適な空間にするには、この温度から先程の「快適な温度」をひくと、夏季は5℃程度、冬季には16℃程度の温度差を埋めなければなりません。
これらの気温差を平均気温で出すのか、最高・最低気温で出すのか難しいところでではありますが、明らかに冷房より暖房の方が電気代がかかるのです。

熱風と冷気・・・どちらが不快?

では次に、熱風と冷気どちらが人体に不快な思いを与えるでしょうか?

例えば、空調のよく効いた居心地の良い部屋にいるとして、夏と冬にそれぞれ少し開いた窓から外気が流れ込んできたとします。このような場面、あなただったらどちらの状況の方が不快に感じますか?

私だけではないと思いますが、夏の熱風に比べあの冬場に感じるゾクッとする冷気は大変居心地の悪いものです。
そのせいでしょうか、飲食店等であちこち閉めきってしまい通気不足で問題が起きる(※1)のは、主に冬季です。夏季に通気不足で困っているという話はあまり聞きません。

天井から通気する場合、真夏の熱気が天井の空気だまりと相まって流れ込んでくるとしても、クリエの換気口はスポットで直接人体に風を送りませんので、換気が正しく行われ(※2)、正しい空調(※3)を選んでいれば気になることはありません。

■参考記事
※1 FAQ 換気と排気と通気「Q4-01.店舗のドアが重く押しても引いてもなかなか開けられない。」
※2 FAQ 換気と排気と通気「Q4-02.換気計算について」
※3 FAQ お悩み・お困りごと「Q5-02. 厨房のエアコンが効きません。」

換気口を選ぶ際のポイント

そこで本題に入りますが、より電力消費量が多い冬季にさらに不快に感じてしまう屋外の冷気を、いかに消費電力を抑え不快に思わせずに十分な通気が行えるかがクリエの考える換気口の役目です。
天井給気口は、天井面の温かい空気だまりと混じり合い、空気の流れを人体に向かう下方向ではなく、横方向にすることで、局所冷却を起こさずに室内に自然通気をします。さらに、下部(足元)より取り込むのは、「底冷え」感が増し、体感温度も下がり不快感が増しますので、天井から通気することで、足元の冷えからくる「底冷え感」を抑えます。

機能的に利点の多い天井給気口ですが、残念ながら天井裏に外気を取り入れることができない設計であったりする場合には、天井取り付け型の換気口の設置を断念せざるを得ない状況でした。

そこで、壁面設置型でありながら、従来のクリエの天井給気口のメリットを継承した新製品室内外一体型給気口「Cube(キューブ)」をご紹介します。

Cube(キューブ)の特徴

室内側  屋外側

壁面からの直接通気は、屋外の気温や天候などの環境の影響を受けやすく、外気の流入により空調費が嵩んだり雨風が入り込む等の諸問題が出てきます。そのため、クリエでは長年、外気を外部給気フード(TO-15/35)で天井裏に取り込み、天井給気口(Tシリーズ)で室内に新鮮な外気を取り入れていました。
しかし、この室内外一体型給気口キューブは、クリエ従来の天井給気口と同様に、壁面取付仕様でありながら、空気の流れを人体に向かわないようにすることで、天井面の温かい空気だまりと混じり合い、局所冷却を起こさずに室内に自然通気をします。

  • 室内外一体型
    外気をこのキューブ1台で取り入れが可能
  • 簡単設置の壁面差込み型
    屋外もしくは屋内のどちらかから壁面に差込みます。(図1)

図1

  • 冬季でも冷気を感じにくく、風雨の影響を受けにくい
    室内に外気を取り入れるとき、吹出し口を斜め上に向けていることにより、天井面の暖かい空気と混じり合って通気されるため、冬季でも冷気を感じにくくなります。また、S字の空気の流れができ、屋内が屋外の風の影響を受けにくい構造です。(図2)

図2

  • 活性炭フィルター付属
    キューブ内の活性炭フィルターが、汚れた外気の粒子を吸着し、きれいな空気を取り入れます。(図3)

図3

  • 結露防止仕様
    屋内側に結露防止用の塗装を施してあります。

このような場所におすすめ

天井高の低い場所では局所冷却が起こりやすくなってしまうため、比較的天井が高く広い厨房や店舗、工場におすすめです。

↑天井が低く狭い場所では、圧迫感を与え局所冷却も起きやすくなります。

仕様

型式 Q30-80 Q30-70 Q30-60

外形寸法(mm) 300×300×800 300×300×700 300×300×600
開口寸法(mm) 310×310
設置する壁の厚さ
(mm)
〜300 〜200 〜100
処理風量(m3/h)
(静圧40Paの場合)
1,300
本体材質 ガルバ鋼板 t1.6
製品重量(kg) 16.5 15.0 13.5
定価(消費税別) ¥94,000 ¥90.000 ¥86,000
ネット通販価格
(消費税別)
¥79,900 ¥76,500 ¥73,100
標準附属品 活性炭フィルター

交換用活性炭フィルターのご案内(キューブ共通品)

キューブ専用の交換用活性炭フィルターです。定期的にお取替えください。(価格:4巻1組)

定価(税抜) ¥12,000
通販価格(税抜) ¥10,200

※表示価格は、2018年5月時点のものであり、変更される場合があります。
本商品の購入においては、購入の時点で当社Webサイト(or 当社ホームページ)に表示されている価格の情報が適用されます。


※所轄の消防署によっては防火ダンパーの設置を求められる場合がありますので、あらかじめご相談することをおすすめします。