煤取装置を設置していただきました物件において、火災の発生が認められた事例を調査致しました。
火災発生の原因は?!
ピザ窯から煤取装置までの ダクト清掃がされていないことが原因です。
ダクト清掃がされないと
↓ ダクトの内側に煤か溜まり、ダクトの空間が狭くなり、必要な排気量が確保できなくなる
↓ 必要な排気量確保できなくなると、ダクト内の温度が上昇
↓ ダクトから来た高温空気は煤取装置に入った途端、一気に空間が広がり、稀に運転水噴霧での冷却ではまかないきれない温度のまま送風機に向けて排気されることがある
このような順で火災発生に至ります。
例えば、ダクト内部に煤が25mm付着したら、排気量はどうなる?
ダクト径φ200で500㎥の排気量の時、ダクト内部に煤が25mm付着した時の排気量は220㎥にまで減少します。
排気量が減少するとどうなる?
排気量が減少すると、窯と室内空間からの空気の混合比が変わり、排気温度が高くなります。
排気温度が高くなるとどうなる?
引火しやすくなります。引火点に到達しなくても引火することがあり、その場合、煤が溜まっていて空間が狭い為、炭を製造するような不完全燃焼を起こします。
不完全燃焼の後はどうなる?
煤取装置内部で急激に空間が広くなるため、燃焼しやすくなり火炎となり、送風機方向へと向かって進みます。
でも煤取装置内で水を噴霧しているよね、消火できないの?
消火用に噴霧してる水ではないですが、大半のケースでは消火されます。しかし、稀に火炎の勢いが水に勝る場合もあります。
対策は年1回のダクト清掃を行うこと
窯から煤取装置までのダクト清掃を年1回行われている店舗での火災事例はあません。2~3年清掃を怠った場合に火災発生の可能性が高くなります。
ダクト清掃は行っているが、ダクトの詰まり(煤・油分の付着)が早いという場合、ダクトの途中に防火ダンパーか風量調整ダンパーがついている場合があります。
この途中に設けられたバンパーが部分的に風の通過を阻害します。その場合は所轄消防担当と相談し、障害が起きない処置を行ってください。
ピザ窯から煤取装置までのダクト清掃の方法
1~12まで熟読の上、実行願います。
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ブログ記事に詳細記入してあります。ぜひこちらもご覧ください。
万が一火災が発生してしまったら・・
直ちに窯の入口を塞ぎます。その後消火剤などでダクト内の消火を行います。
尚、窯の中に消火剤を噴霧しますと窯の再利用ができない場合がありますのでご注意ください。
消壺をご用意しておくこともおすすめです。燃えている途中(営業が終了)で消火させたいときに消壺に入れておきます。残った薪は翌日に着火するのに使用すると着火しやすくなります。ブログ記事に詳細記入してあります。ぜひこちらもご覧ください。