「エアコンを付けているのに厨房が暑い」
「エアコンの能力を上げたのに、なかなか涼しくならない」

そんな経験はありませんか?
厨房の空調が効きにくい原因は、エアコンの能力不足だけとは限りません。
厨房では、調理によって発生する熱や煙、油煙などを屋外へ排出するため、一般的な部屋よりも多くの空気を屋外へ排出します。

そして、排出した空気を補うために、外から新しい空気を取り入れる必要があります。
このとき取り入れた外気を冷やしたり暖めたりするため、エアコンには大きな負荷がかかります。

そのため、厨房のエアコンを選ぶときには、厨房の広さだけでなく、排気量や給気方法まで考えることが重要です。

この記事では、厨房のエアコンが効きにくくなる理由や、排気・給気とエアコンの関係について解説します。

厨房のエアコンが効きにくいのはなぜ?

厨房が暑くなりやすい理由はいくつかあります。

コンロやオーブン、フライヤーなどの調理機器から熱が発生することに加え、調理によって発生する煙や油煙などを屋外へ排出するため、換気設備も稼働します。
特に見落としやすいのが、換気によって屋外へ排出された空気を補うために取り入れる「外気」です。

たとえば、厨房から大量の空気を屋外へ排出している場合、その分だけ新しい空気を外から取り入れる必要があります。
夏場であれば暑い外気を、冬場であれば冷たい外気を厨房内へ取り入れることになります。
エアコンは、その外気を室内に適した温度まで冷やしたり暖めたりしなければなりません。

そのため、厨房では「部屋の広さ」だけを基準にエアコンを選ぶと、実際に必要な能力が不足する場合があります。

エアコン選びで重要な「外気負荷」とは?

厨房の空調を考えるときに重要になるのが、外気負荷です。

外気負荷とは、屋外から取り入れた空気を、室内の温度まで冷やしたり暖めたりするために必要となる熱量のことです。

たとえば、冬の外気温が0℃で、厨房内を20℃に保ちたいとします。
この場合、外から取り入れた0℃の空気を、そのまま厨房へ入れるのではなく、20℃程度まで暖める必要があります。

夏の場合も同じです。
外気温が35℃で、厨房内を25℃に保ちたい場合、35℃の外気を25℃程度まで冷やす必要があります。

つまり、外気を大量に取り入れるほど、エアコンには大きな負荷がかかります。

排気量が多いほどエアコンへの負担が大きくなる

厨房では、排気設備によって多くの空気を屋外へ排出することがあります。

たとえば、厨房の換気設備によって1時間あたり1,500㎥の空気を屋外へ排出しているとします。
排出した空気を補うためには、それに見合った量の空気を外から取り入れる必要があります。
夏場なら暑い外気、冬場なら冷たい外気を大量に取り入れることになるため、その分だけエアコンの負担が大きくなります。

そのため、厨房のエアコンを選ぶときには、
「厨房の広さに対して、どのくらいの能力のエアコンが必要か」だけでなく、

「どのくらいの空気を排気し、どのように給気するのか」
まで考えることが重要です。

実際に必要となる換気量や給気量を計算する場合は、使用する機器や厨房の条件などを確認する必要があります。

換気量の計算方法について詳しくはこちら

給気方法を工夫するとエアコンへの負担を抑えられる場合も

厨房では、排気設備によって空気を屋外へ排出するだけでなく、その分の空気を適切に給気することも重要です。
このとき、給気する位置や方法を工夫することで、厨房全体に外気を拡散させるのではなく、排気される空気を効率よく補うことができる場合があります。

たとえば、排気フードの近くに給気口を設置する方法があります。
排気する空気の近くに給気することで、厨房内の空気を必要以上に外へ引っ張ることを抑え、給気と排気のバランスを取りやすくなる場合があります。
ただし、実際の空気の流れは、厨房の広さや調理機器、排気量、給気量、給気口の位置などによって異なります。

そのため、給気口を設置すれば必ずエアコンの負担を減らせるというものではなく、換気設備全体のバランスを考えて計画することが大切です。

天井から給気する方法もあります

給気方法の一つとして、天井付近から外気を取り入れる方法があります。

天井から給気することで、外気を室内へ取り入れながら、冷たい外気が人に直接当たることを抑えることが期待できます。
特に冬場は、低い位置から冷たい外気を取り入れると、厨房で働く人が冷気を直接感じてしまうことがあります。
天井付近から給気することで、室内の空気と外気が混ざりながら広がることが期待できます。

ただし、実際の空気の流れは、建物の構造や給気口の位置、給気量、排気量などによって変わります。
そのため、天井給気がすべての厨房に適しているというわけではなく、厨房の条件に合わせて給気方法を検討することが重要です。

エアコンの能力を上げれば解決するとは限らない

厨房が暑いからといって、単純にエアコンの能力を上げれば解決するとは限りません。

排気量が大きい厨房では、エアコンの能力を上げても、大量の外気を冷やしたり暖めたりするために大きな負荷がかかることがあります。
また、給気が不足している場合には、エアコンだけでなく、厨房の換気そのものに影響することもあります。

そのため、厨房の空調について考えるときには、エアコンだけを見るのではなく、
排気・給気・空調をまとめて考えることが大切です。

「エアコンを大きくする」という方法だけではなく、「どれだけ排気しているのか」「どこから給気しているのか」「給気方法を見直せないか」といった点も確認してみましょう。

室内循環式の排気という方法もある

厨房の換気方法には、屋外へ排気する方法だけでなく、条件によっては、排気した空気を浄化して室内へ戻す「循環式」の方式を検討できる場合があります。

室内循環式では、排気した空気に含まれる油煙や臭いなどを処理し、浄化した空気を室内へ戻します。
屋外へ排気する空気の量を減らすことができれば、その分、外から取り入れる外気の量も抑えられるため、空調への負荷を軽減できる可能性があります。

ただし、循環式の換気が採用できるかどうかは、使用する調理機器や厨房の条件、必要な換気量、関係法令などを確認したうえで判断する必要があります。
すべての厨房で利用できるわけではないため、導入を検討する場合は、設備の条件を確認することが重要です。

▲リターンフードとリターン用給気口

厨房の空調・換気でお悩みならクリエへ

厨房のエアコンが効きにくい原因は、エアコンの能力だけとは限りません。
厨房では、調理による発熱に加えて、排気設備によって大量の空気が屋外へ排出されることがあります。

そのため、厨房の空調を考えるときには、エアコンだけでなく、排気量や給気方法まで含めて検討することが重要です。

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