薪や木材を燃料とするピザ窯では、使用するうちに排気ダクトの内部へ煤(すす)や油汚れが付着します。

「ススとり君を設置しているから、ダクトの掃除は必要ないのでは?」

そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ススとり君を設置している場合でも、ピザ窯からススとり君までのダクトには煤が堆積するため、定期的な清掃が必要です。

煤が大量に堆積すると排気の通り道が狭くなり、必要な排気量を確保できなくなるだけでなく、ダクト内の温度が上昇して火災につながるおそれがあります。
この記事では、ピザ窯のダクトに煤が溜まる原因や放置する危険性、清掃の頻度、具体的な清掃方法について解説します。

ピザ窯のダクトに煤が溜まるのはなぜ?

ピザ窯から排出される煙には、煤や油分などが含まれています。
特に、ピザ窯からススとり君までのダクトは、煤や油汚れが多く含まれた排気が通過するため、ダクトの内側に汚れが付着・蓄積していきます。

煤が少しずつ堆積すると、ダクト内部の空間が狭くなり、排気が通りにくくなります。
実際に、ダクト内部に煤が大量に堆積し、排気の通り道が狭くなっていた事例もあります。ススとり君を設置していても、ススとり君より手前のダクトには煤が溜まるため、清掃が必要です。

ススとり君があってもダクト清掃が必要な理由

ススとり君は、排気に含まれる煤を取り除くための装置です。

そのため、ススとり君を通過した後のダクトや煙突は、煤が堆積する量を大幅に減らすことができます。
一方で、ピザ窯からススとり君までのダクトは、ススとり君より前にあるため、煤がそのまま通過します。

このうち、特に定期的な清掃が必要なのが「ピザ窯からススとり君まで」のダクトです。

煤を放置するとどうなる?

ダクト内部に煤が溜まり続けると、排気の通り道が狭くなります。

例えば、直径φ200のダクトで500㎥/hの排気を行っている場合、ダクト内部に25mmの煤が付着すると、排気量が220㎥/hまで減少するという計算例があります。
排気量が減少すると、窯から出る高温の空気と室内から取り込まれる空気の混合比が変わり、排気温度が高くなる場合があります。

さらにダクト内に煤が大量に堆積している状態で高温の排気が流れると、煤に引火するおそれがあります。
実際に、清掃を長期間行っていなかった店舗で、ピザ窯からダクトへ入った炎が、ダクト内に付着していた煤や油汚れに引火した事例があります。

火災につながる仕組み

煤が堆積した状態で排気を続けると、

ダクト内部に煤が堆積する
↓
排気の通り道が狭くなる
↓
必要な排気量を確保できなくなる
↓
ダクト内の温度が上昇する
↓
煤や油汚れに引火するおそれがある

という流れで、火災につながる可能性があります。

ススとり君には水を噴霧する機能がありますが、これは消火を目的としたものではありません。多くの場合は火炎が抑えられるものの、火炎の勢いが水による冷却を上回る可能性もあります。

そのため、火災を防ぐためには、装置に頼るだけではなく、ダクトそのものを定期的に清掃することが重要です。

ピザ窯のダクトはどのくらいの頻度で掃除する?

ダクトの汚れ方は、店舗の使用頻度や窯の種類などによって異なります。
そのため、すべての店舗に同じ清掃間隔が適用できるわけではありません。

株式会社クリエでは、ピザ窯からススとり君までのダクトについて、少なくとも年1回の清掃をおすすめしています。
また、清掃時期を忘れないよう、半年に1回程度を目安にダクト内部の状態を確認し、確認した日付を記録しておく方法もおすすめです。

過去の事例では、2~3年間清掃を行っていない場合に火災発生の可能性が高くなるとされています。
「まだ排気できているから大丈夫」と考えず、定期的に清掃を行いましょう。

ピザ窯のダクトを掃除する方法

ダクトの清掃方法には、ご自身で行う方法、専門業者へ依頼する方法があります。

自分でダクトを掃除する

ピザ窯からススとり君までのダクトは、煙突掃除用のブラシなどを使用して清掃できます。
クリエでは、φ200のピザ窯用排気ダクトに合わせた専用ブラシ「カントール」をご用意しています。
カントールは掃除棒をつなげて使用でき、曲がったダクトにも対応できるよう設計されています。

カントールを使ったダクトの掃除方法はコチラ

ダクト清掃と一緒にススとり君本体も確認しましょう

ダクトだけでなく、ススとり君本体も定期的なお手入れが必要です。
清掃時には、本体内部の状態やフィルター、送風機なども確認しましょう。
また、ススとり君から排出される煤は排水装置へ流れるため、清掃後は排水装置のオイルキャッチャーの状態も確認してください。
汚れが多い場合は交換が必要になることがあります。

※ススとり君本体の清掃を行う場合は、必ず送風機の電源を切ってから作業してください。

ススとり君より後ろのダクトや煙突は掃除しなくてもいい?

ススとり君を通過した後のダクトや煙突は、ススとり君によって煤が取り除かれるため、煤の堆積量は大幅に少なくなります。

ただし、実際の汚れ方は設備の使用状況などによって異なります。
そのため、一度も確認しなくてよいという意味ではありません。

設備の状態に応じて点検・清掃を行ってください。

ダクト清掃は火災だけでなく、安定した排気のためにも重要

ダクトに煤が溜まると、排気の通り道が狭くなり、必要な排気量を確保できなくなることがあります。

「以前より煙を吸いにくくなった」
「煤の吸い取りが悪くなった」
「排気の状態がおかしい」

と感じた場合は、ダクト内部に煤が堆積していないか確認してみましょう。

実際に、煤の吸い取りが悪いという相談を受けた際、ピザ窯からススとり君までのダクト内部に大量の煤が堆積し、風道が狭くなっていた事例があります。
定期的な清掃は、火災を防ぐだけでなく、ススとり君を正常に使用し、安定した排気を維持するためにも重要です。

ピザ窯のダクトは定期的に清掃しましょう

ススとり君を設置していても、ピザ窯からススとり君までのダクトには煤や油汚れが堆積します。
特に注意したいのが、次の3点です。

・ピザ窯からススとり君までのダクトは、少なくとも年1回を目安に清掃する
・半年に1回程度、ダクト内部の状態を確認する
・ススとり君本体やフィルター、排水装置なども定期的に確認する

ダクトの清掃を長期間行わないと、排気不良だけでなく、火災につながるおそれがあります。
安全にピザ窯を使用し続けるためにも、定期的なダクト清掃とメンテナンスを行いましょう。

ダクト清掃やススとり君のメンテナンスについて

「自分で清掃するのが難しい」
「ススとり君本体もまとめて点検してほしい」

という場合は、株式会社クリエまでお気軽にご相談ください。

ススとり君本体の内部洗浄、ファン・フィルターの洗浄や交換、給水部品・送風系部品などの保守点検にも対応しています。定期メンテナンスは3年に1度をおすすめしています。

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