11月9日は、換気の日だということをご存知ですか?
日本電機工業会が換気の重要性をPRするために1987年に制定されたもので、もう30年程の歴史があるそうです。そして、改正建築基準法が施工され、原則として建築物に機械換気設備の設置が義務付けられてから、はや12年。
そざかし、「換気先進国!日本」と思いきや、換気のうまくいっていない建築物が多く見受けられることは、「換気装置の総合メーカー【クリエ】」としましては、力不足を実感し反省するところでございます。
ブログでこれまで、換気の重要性、換気の計算等換気に関しましては度々取り上げてまいりました。そこで、今回は「差圧」をピックアップしてみたいと思います。

例えば、「扉がちょっと重い。」これは<差圧40Pa>です。

Pa(パスカル)とは皆様ご存じとは思いますが、台風にも使われる空気の圧力の単位です。
クリエでは常々、「換気量=排気量=通気量 です。」とご紹介していますが、<差圧40Pa>という値は、平均荷重がかかった場合、扉1枚に約6.6kg重さが加わることになり(下図参照)、扉がちょっと重いと感じますが、店舗内では正常の範囲になります。
平成27年8月18日に弊社で行った「換気口試験データ」から、試験室を負圧にした状態で扉を開閉した時の所見を表にしたものです。
ドア

差圧(Pa) 試験室を負圧にした状態で扉を開閉した時の所見
160 扉が全く動かない
140 扉を開けるのに苦労する
100 扉を開けるのに力がいる
70 現実的にありそうな重い扉
30 扉がちょっと重い

おそらく、80Paが限度だと考えます。扉1枚に13.2kgの重さが加わることになり、人によっては開けられないこともあるかもしれません。

クリエの換気口の処理風量(m3/h)は<差圧40Pa>で表示しています。

静圧tm58静圧to15

先程も述べた通り、<差圧40Pa>という値は、扉がちょっと重いと感じますが、これ以上通過風量を増やすと局所冷却が起こったり、空調費がかさんでしまったりしますので、<差圧40Pa>は店舗内では正常の範囲内です。

換気計算から出た数字を基に、換気口の種類と数量を選んでいきます。

例えば、過去ブログ「1からわかる!換気口の選び方【換気量の計算】」から、このブログの場合の必要換気量:1,940m3/hを賄うには、TM-58が5台と、TO-15が2台必要になります。換気口の種類の選択肢は他にもございますが、室内給気口と外部給気フードはそれぞれ必要になります。

換気口試験データから

天井給気口から通気されるの空気の流れを撮影しました。少々分かりにくいのですが、換気口側面から出てくる白い煙が、空気の流れを表しています。
クリエの製品「天井給気口」は、側面に換気口を設けてありますので、風の流れが直接人に向うことなく、天井面の暖かい空気だまりと混じり合い穏やかに通気されるのが特徴です。

◆換気口試験
平成27年8月18日 換気口試験
株式会社クリエ 富山工場試験室にて
換気口:T-45W 点検枠付換気口
天候:くもり
外気温:30.7℃
工場内気温27.0℃


11月9日(いいくうき)の換気の日を機会に、厨房の換気を見直してみませんか?

※「換気口」製品は一覧、こちらからご覧ください。
※「換気と排気と通気」に関してのFAQはこちらにも載っています。