休日の朝は、コーヒーとクロワッサンの焼けた香りの中で目を覚ます。
・・・なんて、映画の中の世界観に憧れたりしませんか?
決してコーヒー通ではない私にとっても、淹れたてのコーヒーの香りは朝の忙しい時間を”ほっと一息”つかせてくれる精神安定剤のようなものです。

一方、臭いの問題はいわゆる公害ならぬ「香害」、または「スメハラ(スメルハラスメント)」と呼ばれることもあり社会問題になりつつあります。

そういう私も、最近よく話題にのぼる香り付きの柔軟剤のあの強烈な臭いに不快感を感じている一人です。柔軟剤の香りには、健康被害をもたらすことで問題になっている揮発性有機化合物(VOC)が含まれ、倦怠感・めまい・頭痛・湿疹・のどの痛み・呼吸器疾患を伴う、「香害」であり、まさに「公害」です。

コーヒーの香りは万人に比較的好まれる傾向にありますが、香りの捉え方には個人差があり、人にとっては不快な香りと感じてしまうことがありますので、苦情が出る前に早めの対処が必要です。

コーヒーの香りと柔軟剤の香りを並べて語るのはおかしいですが、芳しい香りも長時間押し付けられるとやはり「香害」になってしまいます。
そのようなこともあり、コーヒーを焙煎されているお店から排気処理のご依頼を今まで何度かいただいています。そして今回、製品化にこぎつけました。

焙煎機から出る排気を”臭覚・視覚”の二方向から処理します。

クリエでは排気処理装置をピザ窯用・燻煙用・薪ストーブ用とそれぞれ排気種類別に製品をご用意していますが、今回ご紹介するコーヒー焙煎排気処理装置「ばいせん君」は、コーヒー豆を焙煎(ロースト)するときに出る排気(臭いと煙)を処理するちょっと小柄な五男坊です。

臭覚

コーヒーを焙煎すると、臭いの成分は豆に含まれる様々な成分が変化し、その種類は総計で約1000種類にも及ぶそうです。その臭気を活性炭の無数の微細な孔からなるフィルターで吸着させます。(下図参照)

実は、先程の柔軟剤のような人為起源のものとは違った成分ですが、揮発性有機化合物(VOC)には、植物起源のものが多く存在します。活性炭フィルターは、臭いだけでなく揮発性有機化合物(VOC)も吸着する優れものです。

視覚

«最初に、ばいせん君から出る煙には白煙の他、取りきれない煤が混ざっていることを念頭にお読みください。»

人間の情報の90%は視覚からくるそうで、五感の中で圧倒的な影響力を持ちます。例えば、煙突から出てくる白い煙からわずかな臭いがしたとしても、それは視覚からの情報を受け、何倍にも感じられます。

苦情を受けないようにするためには、白煙を見えないようにする必要があります。
本来であれば、白煙用の電気集塵機を使って除去したいところですが、クリエではこの白煙を除去しません。なぜなら、白く見える煙は燃焼時に発生した水蒸気が、外気に冷やされ結びついたときに発生する水滴だといわれているからです。(タバコのように、白煙の一部には、水蒸気以外に有害な何かが含まれている場合もあります。)

ですので、コストを上げてまで電気集塵機を取り付けることはしません。それでも白煙を見えにくくすることができるのです。

視覚を通して得られた色情報からの心理的影響(「白煙は臭う」という認識)を排除します。

なぜ、他社と比べて価格が安いのか?

前項にも書きましたが、白煙除去用の電気集塵機を使っていないからというのが一つ目の理由です。

二つ目は、アフターバーナーを使用していないからです。
コーヒー焙煎時に出る煙の処理として、アフターバーナーを使用することがあります。焙煎機から出る煙を燃焼させることで、豆の皮が剥がれて飛散する粉じんを焼き切ることと、白煙成分のほとんどを占める水蒸気を、温度を上げて燃焼するということの二点が目的と考えられます。

コーヒー焙煎排気処理装置「ばいせん君」では、豆の皮が剥がれて飛散する粉じんは活性炭フィルターがある程度キャッチします。
白煙については、前項のとおり希釈処理しますので、アフターバーナーのように「高費用」をかけ、「エネルギーを消費」することはありません。

活性炭シートを定期的(使用頻度によりますが、年1回程度)に交換する必要がありますが、日々のメンテナンスはほとんど不要です。

自家焙煎の街の珈琲屋さんにおすすめ!

クリエのコーヒー焙煎排気処理装置「ばいせん君」は、上記でも述べたように、初期投資(イニシャルコスト)・運転資金(ランニングコスト)が低く、場所を取らない小型装置のため、個人経営のコーヒーショップ様などにおすすめです。

システム構成図

仕様

型式 C-Box-1TB
最大処理風量(m3/h) 800
外形寸法(mm) 950×400×400
ダクト接続径(mm) Φ200
活性炭フィルター寸法(mm) 340×520 32枚
製品重量(kg) 25,8
消費電力 Φ1,100V,300W

※活性炭フィルターは可燃物ですので、火気の無い場所でご使用ください。また、火の粉の出る焙煎機には使用できません。(焙煎時は、豆の皮が火の粉になって飛んたり、深入り豆は炭になる一歩手前の状態ですので油が出て火が付きやすくなります。)
⇒可燃物の使用可能な湿式タイプ「コーヒー焙煎排気処理装置」もございます。CLS/CLSCをご覧ください。
※焙煎機の処理風量をご確認ください。ばいせん君の処理風量より焙煎機の処理風量の方が大きい場合はご使用になれません。
※送風機(ファン)は電気制御部品ですので故障することがあります。交換が必要となります。
※活性炭フィルターは、定期的(使用頻度によりますが、年1回程度)な交換が必要となります。
※発送のみの場合は、別途送料がかかります。
※都合により製品の仕様を予告なく変更する場合があります。

架台

※ばいせん君を吊ることができない場合の置き台です。
※天吊りの場合は、天吊り金具が付属します。

交換用活性炭フィルター

装置の心臓部である活性炭フィルターには優れた吸着性をもつ活性炭繊維を使用しています。
世界各地の繊維メーカーの活性炭繊維をテストし、日本国内大手繊維メーカーで開発した活性炭繊維を当社製品用にカスタマイズし他社にはない優れた脱臭効果を実現しています。
←拡大できます。

型式 C-Box-1TB(PCF5 -1T交換用活性炭フィルター用)

※活性炭フィルターのサンプルをお送りします。ご希望がありましたらお問い合わせフォームよりご連絡ください。
※活性炭フィルターは、定期的(使用頻度によりますが、年1回程度)な交換が必要となります。